ボストン国際アルツハイマー病会議報告その1
2013年7月18日に国際アルツハイマー病会議がボストンで行われましたが、その会議での報告をわかりやすく解説していきたいと思います。
国際アルツハイマー病会議ですが、これは認知症やアルツハイマー病について細心の研究結果を報告する、第一流のフォーラム会議になります。
今年はなんと1800以上のプレゼンテーションがなされたそうです。
ちなみにあの有名なプレゼンテーション番組TEDでもアルツハイマー病のプレゼンテーションをされている方がおられます。
アラナ・シェイク: 私はいかにしてアルツハイマー病になる準備をしているか
http://tr.loopshoot.com/id/1498
今回はアルツハイマー病のリスク減少要因についてのプレゼンテーションの解説を行います。
普通がんは忌み嫌われる疾病の最たる物ですね。
しかし、ことアルツハイマー病については、ちょっと違うようなのです。
今回のプレゼンでは、がんがアルツハイマー病の大きなリスク減少の要因になっていることが報告されたのです。
つまり、がんになった人とならなかった人のアルツハイマー病についての発病率が明らかに、がんになった人のほうが少なかったようなのです。
これは、アメリカの退役軍人350万人の健康記録を調査した結果わかったことです。
がんになると、殆どの場合化学療法を行います。
よく言われる抗癌剤の治療がそれにあたります。
この抗癌剤に代表される化学療法を行ったグループと、おこなっていないグループとのアルツハイマー病の発病率を比べた結果、化学療法を行った方がアルツハイマー病になりにくいことがわかったのです。
このことで、がんに対する化学療法が、アルツハイマー病の発病予防と何らかの関係にあることがわかります。
しかしまだまだ、なぜがんに対する化学療法がアルツハイマー病の予防に有効なのかは、詳しくはわかっていないようですので、さらなる研究が必要のようです。
がんとアルツハイマー病が密接な関係にあるという意外な結果がわかったのですね。