アルツハイマー型痴呆(認知症)の家族への接し方 その1
ここからは、家族がアルツハイマー型痴呆(認知症)と診断された場合の接し方について説明していきます。
一般にアルツハイマー型痴呆(認知症)の進行が進むに従って、認知症などの症状が重くなっていきます。
アルツハイマー型痴呆(認知症)の家族に接する時、それではどのような点に注意をしたらよいのでしょうか。
慣れ親しんだ人の顔や環境を大切にする
アルツハイマー型痴呆(認知症)など認知症が進むと、より心の安定が大切になります。
家族や友人など、施設であれば顔なじみになった人など、以前から知っている人と過ごす時間が、患者さんの心に安心を与えます。
反対に介護する人や居室が変わる場合は、急に変わると本人が動揺してしまう場合があるので、変わる部屋に前もって連れて行ったり、ちょこちょこ顔を出したりして、予めなじみの場所・顔になっておく手順を踏んでおくのが良いでしょう。
住み慣れた場所で、毎日を生き生きと楽しく過ごすのが、アルツハイマー型痴呆(認知症)の人だけでなく、高齢者全般にとっても大切なのです。
それによって落ち着いた安心した生活を本人も家族も送れるのです。
心に寄り添う
どれだけ本人の言動を受け入れられるかと言うことが、アルツハイマー型痴呆(認知症)の家族の介護でとても大切です。その前にまず、アルツハイマー型痴呆(認知症)にはどのような症状があるのか、その病気のことを理解しておかねばなりません。
アルツハイマー型痴呆(認知症)などの認知症になると、誰かが自分の物を取ったなど事実ではないことを言ってみたり、家出をするなど本人以外には理解できない行動をとったりする場合があります。
しかし、そんな時に、家族などが頭ごなしに叱っても、実は本人には何か理由があってそのような行動・言動を取るため、反対に本人は心の安定を失ったり、気分が落ち込んだり、痴呆(認知症)が進行する危険性があるのです。
それゆえ家族など介護する人には、多少の失敗を大目に見る等の心のゆとりが必要となります。
アルツハイマー型痴呆(認知症)は、初期症状では単なる物忘れくらいの症状ですが、症状が進行するに従って介護者の負担も大きくなってきます。
接する人が、どのような心づもり・態度で患者に接すれば良いのかを、初期症状にうちに知って準備しておくことはとても重要なのです。