アルツハイマー病予防タンパク質が発見されました！
大阪大学の研究チームによりますと、アルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβの蓄積を防ぐタンパク質を特定したそうです。
アルツハイマー病はこのサイトで何度も説明しているように、脳内にアミロイドβという種類のタンパク質が一定以上溜まることによって起こると考えられています。
ということは、このアミロイドβの蓄積を防ぐことができれば、もしくは正しくコントロールできればアルツハイマー病の予防に効果があると考えられているのですね。
今回の大阪大学の研究結果では、このアミロイドβの蓄積を防ぐ作用をもつタンパク質を特定したということですので、このタンパク質の作用をさらに詳しく調べることで、アルツハイマー病の予防薬の開発に結びつく可能性が出てきたのです。
ではそのアミロイドβの蓄積を防ぐタンパク質とは何でしょうか？
それが今回発見された「掃除屋」タンパク質sorLAというタンパク質になります。
このタンパク質の発見の背景には、アルツハイマー病の患者さんの遺伝子にはsorLAに関する遺伝子が健常者と違っているという研究報告あり、さらにアルツハイマー病の患者さんの脳にはsorLAが健常者に比べて少ないということがわかっていました。
このことから、sorLAがアルツハイマー病の発病と何らかの関係があるのではないかと考えられていたのです。
このsorLAは非常に簡単にいえば、膜の役割を果たすタンパク質になります。
膜の役割は、ある物質を通したり、ある物質は通さなかったりなど、物質を選択して通すか通さないかを行っています。
イメージとしては、水道の蛇口などにつける洗浄機が近いかと思います。
洗浄機には膜があって、その膜で水道水に含まれるさまざまな健康に悪いと言われている物質を除くのですね。
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sorLAは今回の研究でアミロイドβと結合して、脳内にアミロイドβが蓄積するのを防ぐ役割を果たしていることがわかったのです。
またアルツハイマー病の患者さんには遺伝的な原因で比較的速くアルツハイマー病が発病してしまう場合（若年性アルツハイマー病）がありますが、その患者さんの遺伝的変異がsorLAにあることが去年発見されたことと合わせますと、sorLAがアルツハイマー病の発病をコントロールしている可能性が非常に高いことがわかったのです。
今後の課題としては、具体的にどのような方法でorLAの作用をコントロールするかということがあげられるでしょう。
一刻も早くコントロールできる方法が見つかって、アルツハイマー病の早期予防が実現できることを切に願います。