アルツハイマー型痴呆(認知症)と痴呆症(認知症)について

アルツハイマー型痴呆(認知症)の原因

アルツハイマー型痴呆(認知症)の原因には数種類の説があります。

β(ベータ)アミロイドというタンパク質が脳内の組織にたまり、脳の神経細胞が死滅するという説。
脳(特に脳の周辺部である大脳皮質)が極端に萎縮(小さく)し、痴呆(認知症)発症へ至るという説が今のところ有力です。

βアミロイドというタンパク質は正常な人においても合成、分泌されていますが、酵素によって分解され蓄積することがありません。
そこで、加齢に伴い分解が追いつかず蓄積されることが原因になり、アルツハイマー型痴呆(認知症)の発症につながると考えられています。

アルツハイマー型痴呆(今は認知症といわれていますが)と認知症や、痴呆介護などについてさまざまな視点から詳しく説明しています。

次に、大脳皮質などにできるシミのような老人斑という繊維状の物質が増えることがアルツハイマー型痴呆(認知症)の原因とする説もあります。
しかし、老人斑はアルツハイマー型痴呆(認知症)でない人にも多く見つかっていますし、脳の短期の記憶に関わる海馬という組織ではあまり見られません。
そのため、この説は現在では疑問視されています。

3番目に、古くなった繊維状のタンパク質が細胞内にたまって固まった結果の糸くずのような神経原繊維の変化が原因だという説もあります。
アルツハイマー型痴呆(認知症)の人の脳内神経細胞で神経原繊維の変化はかなりの頻度で見られ、増加すると神経細胞は減少します。
一見有力なようですが、老人斑と同じようにアルツハイマー型痴呆(認知症)にかかっていない人にも神経原繊の維変化は見つかっています。
ですので、この説も現在では疑問視されています。

遺伝する家族性アルツハイマー型痴呆(認知症)では、βアミロイドの材料となる物質であるアミロイド前駆体タンパク質(APP)遺伝子、プレセニリン1、プレセニリン2という遺伝子が、原因遺伝子であることがすでに判明しています。
APP遺伝子、プレセニリン1、プレセニリン2の変異がβアミロイドを増加させるのです。
そして、増加したβアミロイドは神経細胞の中に蓄積することによって、アルツハイマー型痴呆(認知症)が発病すると考えられているのです。

また、その他の原因として「神経伝達物質の異常」、「アルミニウム」、一時期話題になった「活性酵素」など様々な原因が考えられています。
しかし、いまのところはっきりとした原因が特定されていないので、自分がいつアルツハイマー型痴呆(認知症)になってもおかしくありません。

初期症状を見逃さずないようにして、初期症状が起こった段階での治療が、症状の進行を防ぐために大切なのです。

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