アルツハイマー型認知症になった場合の介護は?その4
今回は、あなたが実際に介護をするのではなく、あなた以外の身内が介護をしている場合のポイントをまとめてみました。
介護を自分ではなく、自分以外の身内が行っている場合、自分が介護をする時と違って注意しないといけないポイントがあります。
これは、介護を全くやったことがない方に多い間違いなのですが、介護についての書籍やネットで調べた知識が絶対と思ってしまい、その方法に固着してしまう場合があります。
確かに、介護について書かれた専門書などにはとても役に立つことが書いてあるのですが、介護は本来とてもパーソナルなものです。
100人の介護が必要な方がいたら、100通りの介護の方法があるのです。
あなたのお父さんの介護の方法がうまくいったからといって、お母さんでも同じやり方が通用するとは限りません。
むしろ、ほとんどの場合同じやり方では通用しないのです。
ですので、書籍等での知識はあくまで、基本的な知識でそれを基礎にして、臨機応変に対応していくという心構えが大事です。
あなた以外の身内で実際に介護をされている方に、「この本にはこう書いてあるわよ。そんなやり方では、だめじゃないの。」と上から目線では、介護をしている方も従うどころか返って、「あなたは実際に介護をやったこともないくせに。横から意見なんか言わないでよ。」と反発されるのがオチです。
ですので、「こんな介護に詳しい本があるんだけど、送るからちょっと読んでみてね」といった感じで、介護者本人が「じゃぁ読んでみようか」と思えるように主体的・自主的にかかわれるやり方で、さりげなく知らせることがポイントです。
このポイントも先程のポイントと共通しますが、介護を実際に行わず皆具者に口だけでアドバイスしたり、指示したりすることは、できるだけ避けましょう。
気持ち的には、
「介護しないのなら、口も出さない」
と、割り切った気持ちでいることが大事です。
あなたが介護をしていないのであれば、介護に意見を言うのではなく、介護者や要介護者本人をどうしたら手助けできるかを考えてみましょう。
具体的には
介護の苦労や愚痴を聴く
介護は一人でやることが多いです。介護者は不満や愚痴を誰にも聞いてもらえないことが多いのです。
人は問題を解決できなくても、問題を聴いてもらえるだけでも精神的に助かります。
ですので、介護者の苦労や愚痴をじっくり聴いてあげましょう。
介護者に感謝の気持ちを伝える
同じ身内だから、ありがとうと自分が思っていることぐらいわかるだろうと思ってはいけません。
身内だからこそ、介護者に会った時には、感謝の気持ちをちゃんと口に出して言いましょう。
人は、誰かから感謝されていると感じることで、自分の存在価値を客観的に感じることができるのです。
経済的な援助を行う
介護は精神的な負担も大きいのですが、経済的な負担も同じくらい大きいものです。
あからさまにお金の話をするのは、気が引けるかもしれませんが、あなたができる範囲での金銭的援助ができないか、介護者と相談してみるのも援助の一つです。
ただし、金銭的なことはデリケートな問題ですので、できるだけ相手に失礼にならないように慎重に行いましょう。
情報を介護者の代わりに集めてみる
介護者は、毎日の介護に時間を取られていますので、なかなかじっくりと介護についての情報を調べたり勉強したりする時間が取れません。
そんな介護者の代わりに、あなたが介護のサービスや、介護用品などについて調べて、介護者に伝えることも援助につながります。
その際、注意しないといけないのが、先程から何回も書いていますが、押しつけないということです。
あくまで、こういう情報があるよといった感じで、判断自体は介護者に任せるようにしましょう。