アルツハイマー型認知症の治療法の種類は?
もし、ご家族の方やご自身がアルツハイマー型認知症と診断された場合、治療を初めなければなりませんね。
では、アルツハイマー型認知症の治療方法にはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、アルツハイマー型認知症の治療のおおまかな種類について説明します。
まず、これは現実として書かなければならないのですが、今現在アルツハイマー型認知症を根本的に完治する治療薬や治療方法はありません。あくまで、症状を遅らせたり和らげる対処療法が中心となります。しかし、だからといって、今後完治する治療方法が発見される可能性も大いにありますので、今やれる治療を行うことで、できるだけアルツハイマー型認知症の進行を遅らせ、その間に新薬や新しい治療方法が発見されるのを待つのが現実的だと思います。
では、アルツハイマー型認知症の治療はどのような方法があるのでしょうか?
それは、大きく3つの方法に分けることができます。
1つ目は、最も中心となる治療法で、「薬物治療」になります。その名の通り、薬物(お薬)を使った治療法となります。先程も書きましたが、残念ながら今のところ根治するお薬はまだ発見されていません。しかし、症状を遅らせること、幻覚・徘徊・妄想などの周辺症状を軽減することができるお薬が販売されています。
2つ目は、お薬を使わない治療方法になります。この方法の特徴は、お薬を使う代わりに主に脳へ何らかの働きかけを行うことで、進行を遅らせたり和らげる方法です。アルツハイマー型認知症は脳の病気になりますので、脳への適切な働きかけによって、症状が改善されることが期待されていますが、今のところ、はっきりとした科学的な改善の証拠が十分があるわけではないです。
認知症の治療には、薬物療法のみならず、ケアやリハビリテーション、介護なども含めたトータル的な医療が求められる。
http://www.aricept.jp/alzheimer/e-clinician/vol59/no608/sp01.html
アリセプトのサイトより一部引用
多くの医療機関、福祉施設で認知症患者さんに対して「非薬物療法」が行わ れています。音楽療法や運動療法を始め様々な種類がありますが、その効果 について薬物療法ほどのエビデンスが出されていない現状があります。
https://www.rivastach.jp/magazine/no12.pdf
「認知症の非薬物 療法について」より一部引用
最後の3つ目は、ご家族をはじめ患者さんの周りの方の「介護」になります。介護と聞くとあなたは、治療とは直接関係がないような感じがするかもしれません。しかし、特にアルツハイマー型認知症の初期症状の場合、適切な介護を行うことが、症状を遅らせることにとても大事なポイントになってきます。介護を適切に行うことで、患者さんの不安や心配を軽減し、安心・安全の感覚を持ってもらえることができるのです。その結果、徘徊や周辺症状が減ったり和らぐことがあるのです。
治療は、薬物治療と、残っているからだや精神の機能をできるだけ維持することを目的とした介護やケア、心理療法を組み合わせて行われます。
http://www.eisai.jp/diseases-and-symptoms/detail/pbaid_3_nodeid_250_faqid_213_detail.html
エーザイのサイトより一部引用
また、家族や周囲の人の対応の仕方によって、行動・心理症状(BPSD)が改善することも多くみられます。
http://www.isshogaiine.com/treat/
第一三共のサイトより一部引用