アルツハイマー型痴呆（認知症）と痴呆症（認知症）について

「アルツハイマー型痴呆（認知症）と痴呆症（認知症）について」トップ ＞ アルツハイマー型痴呆（認知症）の画像診断　― 脳血流シンチ（SPECT）

アルツハイマー型痴呆（認知症）などが原因での脳の病気の場合は、形状の異常が現れる前に、機能の異常が現れることがあります。

そこで、脳血流シンチ（SPECT）は、脳梗塞、脳腫瘍、てんかん、などいろいろな病気が原因で起こる脳内の血流異常を発見するため開発されました。

また、様々な病気の早期診断や、病状が軽く、まだ回復の可能性のある軽度障害部位の発見に役立っています。

この検査ではまず、微量の放射線を放出する薬剤を静脈注射することで脳の血流を反映させます。
そして、血流でもって脳内に集積した放射性医薬品をガンマカメラというカメラで撮像し、その映像をコンピューター処理することによって脳血流の状態、分布を画像でもって表示します。

この画像の、血流異常のパターンを調べることによって痴呆（認知症）の原因が、アルツハイマー型痴呆（認知症）か脳血流の障害によるものかを判断することもできます。

最近では健康な人とのデータとの比較（統計画像解析法）によって異常をより鮮明に際だたせる方法が開発され、より病変がとらえやすくなっています。

この検査の長所としては、CTなど、構造の変化での検査で異常が見つからない早期からでも脳の異常を発見できることにあります。
早い時期に脳の異常が分かるため、アルツハイマー型痴呆（認知症）の早期診断に有効であることがわかっています。

このため、アルツハイマー型痴呆（認知症）の初期症状や認知症が疑われる場合は、CT検査で萎縮等の形状の異常が発見できない場合であっても、脳血流シンチ等の検査でさらにつっこんで詳しく調べることが望ましいのです。

残念ながらアルツハイマー型痴呆（認知症）は、現時点では完全に治す治療法はありません。
しかし、できるだけ早く発見し治療を開始すれば、病状の進行を遅らせることができる病気でもあるのです。

初期症状に気づき、適切な検査を受けることで、アルツハイマー型痴呆（認知症）の回復の可能性も高くなるのです。