アルツハイマー病の患者に、より近い症状のマウスに成功!
どんな薬の開発でも同じですが、開発途中の薬はいきなり人に投与されることはありません。
副作用等のリスクがあるので、まずは動物実験を行います。
しかし、動物実験の場合、人とマウスのように種はもちろん、猿のように種が似ていても遺伝子レベルで違いがある場合、動物実験でいい結果がでても必ずしも、人で同じように良い結果がでるとは限りません。
そこで、できるだけ人に近い種を選んだり、人と同じような状態に近づけることが重要になってきます。
最近話題のIPS細胞も、患者さんと全く同じ遺伝子で病気になった状態の臓器等を作り出せることでも注目を浴びているんですね。
今回、最近何かと話題になっている理化学研究所の脳科学総合研究センターのチームが、アルツハイマー病患者に、今までよりより似た状態のマウスの作成に成功したそうです。
今までのやり方は、アルツハイマー病患者に似た状態を作るため、マウスにたくさんの有害なタンパク質をつくる遺伝子を組み込んで(もともとある遺伝子に追加で遺伝子を組み込む)いたのですが、突然に死んでしまったり、本来のアルツハイマー病の状態ではない異常な行動をとる現象が出ていたそうです。
今回は、元々ある遺伝子に別の遺伝子を追加するのではなく、置き換えるという方法でより近い状態のマウスの状態に成功したそうなんですね。
今まで
元々ある遺伝子+有害なタンパク質を作る遺伝子
今回
(元々ある遺伝子→取り除く)+有害なタンパク質を作る遺伝子
=有害なタンパク質を作る遺伝子のみ
実際のアルツハイマー病患者さんに似た状態のマウスで、実験することでより正確な症状改善の道がひらけると期待されているそうです。
<ソース元>
理化学研究所