いよいよ日本でも、ベータアミロイドの可視化ができるようになるようです。
このサイトでも説明していますが、アルツハイマー型認知症の原因として最も有力な候補が、「脳の中でベータアミロイドというタンパク質が異常に増える」という説です。
アルツハイマー型認知症をできるだけ早く発見するには、このベータアミロイドが脳の中に異常に溜まっていないかどうかを調べるのが最もシンプルな方法になるかと思います。
では、この脳の中にあるベータアミロイドを、どのようにして調べるかですが、血液検査などで調べることができるようになってきています。
http://www.cgt.med.osaka-u.ac.jp/cont/norm04_c_4g.html
しかし、もっと患者さんの負担を少なくし、さらに簡単に脳内のベータアミロイドの蓄積が分かる方法が日本でもできるようになりました。
具体的には、下記リンク先記事をお読みになってほしいのですが、簡単に説明しますと、脳内のベータアミロイドを画像で判断することができるようになったのです。
がん検診の方法の1つにPETという方法があります。この方法の説明はこちらなどに載っていますので、詳しくは説明しませんが、大まかにはこういうことです。
がん細胞は、エネルギー(ブドウ糖)を普通の細胞より必要とする
↓
ブドウ糖にマーク(印)を付けて、体内に入れる
↓
がん細胞が集まっているところは、ブドウ糖がより多く使われているので、マークを付けたブドウ糖がより多く集まる
↓
ブドウ糖にマークを付けているので、その部分だけ画像では光って見えその部分にがん細胞があることが分る
という理屈です。
つまり、予め知りたい物に光るなどの印をつけておいたら、画像で光って見えるのではないか?という結構単純な理屈です。
今回、この調べたい物が「ブドウ糖」から「ベータアミロイド」に変わるだけなんですね。
ただ、日本ではこの印をつける薬が認証されていなかったのでできなかったのですが、今回販売承認が日本国内で出来たので、ベータアミロイドがどれくらい脳内にあるかが、画像でわかるようになったということになります。
PETは私も受けたことがありますが、注射1本打つだけで、あとは基本的に寝ているだけというとても簡単な方法ですので、ぜひ普及して欲しいですね。
2014年9月8日に株式会社日立製作所と日本イーライリリー株式会社は日本国内における放射性医薬品合成設備「NEPTIS(R) plug−01」の販売基本契約を締結したと発表した。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2014/09/0908.pdf