同志社大学がアルツハイマー病を抑える物質を開発
同志社大学によりますと、アルツハイマー病の原因となる物質の生成を抑制する物質を開発したそうです。
アルツハイマー病を抑制する物質とは?
このサイトでも解説していますが、アルツハイマー病の原因の一つとして、
「βアミロイド」
が脳内に蓄積されることが有力視されていますね。
今回、同志社大学の舟本聡准教授(神経病理学)らのチームがこのβアミロイドの蓄積を抑制する物質を開発したそうです。
ではその画期的な物質とはどんなものでしょうか?
同志社大学のホームページに詳しい資料
http://www.doshisha.ac.jp/attach/news/OFFICIAL-NEWS-JA-1140/34154/file/131010.pdf
が載っていますが、その物質とはどうやら
「C99結合ペプチド」
というペプチド試薬のようです。
では「C99結合ペプチド」に使われているペプチドという言葉の意味をちょっと説明してみたいと思います。
Wikipediaでの解説はこちらにありますが、
http://goo.gl/WvJ0
よくわからない方も多いのではないのでしょうか?
ペプチドとは、簡単にいえば
いろいろな種類のアミノ酸が、決まった順番につながってできた物質になります。
人の身体の多くの部分はタンパク質という物質でできています。
肉や大豆の主成分はタンパク質ですから、マッチョな体に成るためには、肉か大豆を食べなさいと言われる理由はそこから来ているんですね。
さらに、このタンパク質を分解するとアミノ酸という物質になります。
このアミノ酸が一定の数つながったものがペプチドになるのですね。
有名なペプチドとしては、先ほどの肉や大豆を分解した結果できる、
「消化ペプチド」
があります。
人は生きるためにさまざまな食品を分解していますが、その中でもタンパク質を分解するのが最もエネルギーを必要としています。
http://dietondiet.com/kisochishiki/diet_dit.html
ですので、最近はその消化を助けるために最初から大豆をペプチドまで分解した、大豆ペプチドのような商品も販売されているんですね。
なぜこのC99結合ペプチドがアルツハイマー病に効果がある可能性があるのでしょうか?
まず先ほどのアルツハイマー病の原因となるβアミロイドという物質は、主にAβ(βアミロイド)産生酵素(γセクレターゼ)という酵素から作り出されます。
では単純にこのにAβ産生酵素(γセクレターゼ)の働きを抑制すればいいかといいますと、この酵素は身体の他の重要なタンパク質を分解する働きもあるため、抑制すれば本人そのものに重大な副作用がでてしまうのです。
そこで、このC99結合ペプチドを使うことで、Aβ産生酵素(γセクレターゼ)のなかのAβ(βアミロイド)の産生だけを選択して抑制できる効果があることがわかったのですね。
つまり、身体に良い物質は残して、アルツハイマー病の原因となる、Aβ(βアミロイド)だけ生産しないようにできるようなのです。
これを応用した新薬は、今までの薬より副作用が少ないことが期待されています。
ぜひ実用化していただきたいですね。